2011-3-11 を忘れない

石巻・大川小訴訟、意義深い最高裁判断。石巻市と県の上告棄却、遺族の勝訴確定。

大川小遺族の勝訴確定 石巻市と県の上告棄却

2018年4月27日投稿の高裁判決に関する河北新報記事も合わせてご参照下さい。

 

東日本大震災の月命日に合わせ、慰霊碑に手を合わせる人が訪れた旧大川小=11日午後1時45分ごろ

 東日本大震災の津波で死亡・行方不明になった石巻市大川小の児童23人の19遺族が市と宮城県に計約23億円の損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第1小法廷14億(山口厚裁判長)は11日までに、市と県の上告を退ける決定をした学校の事前防災の不備を認め、市と県に計約3610万円の賠償を命じた昨年4月の仙台高裁判決が確定した。
決定は10日付。市と県の上告理由は実質的に事実誤認や単なる法令違反を主張し、憲法違反や判例違反などを対象とする上告審の審理に該当しないとされた。全5裁判官一致の結論。
高裁判決は、危機管理マニュアルの策定を全ての学校に義務付けた学校保健安全法から導いた「安全確保義務」を軸に、地域の実情に合わせた情報を独自に収集蓄積したマニュアルの整備や、津波ハザードマップの信頼性の検討を怠った学校や市教委の組織的な過失を認めた。
市と県は上告理由で、ハザードマップで予見可能性を判断した過去の津波訴訟と、高裁判決の判断枠組みの乖離(かいり)を指摘。高裁がマニュアルに津波避難場所として記すべきだったとした学校から約700メートルの「バットの森」についても、避難場所として現実的ではなく不適当と主張していた。
上告棄却を受け、仙台市内で記者会見した原告団長の今野浩行さん(57)は「確定判決が今後の精度の高い学校防災につながることを期待したい」と語った。
亀山紘市長は「市の責任が問われたことを大変重く感じている。遺族には心からおわび申し上げたい」と述べた。村井嘉浩知事は「決定を厳粛に受け止める」と話した。
大川小では震災による津波で児童74人と教職員10人が死亡・行方不明になった。19遺族は2014年3月に提訴。16年10月の仙台地裁判決は、津波襲来7分前の時点で児童を避難させなかった現場教員の過失を認め、市と県に計約14億2660万円の賠償を命じた。
原告遺族と、市と県の双方が控訴。控訴審は、学校の事前防災の妥当性が主な争点となった。河北新報2019年10月12日

大川小遺族勝訴確定 原告団「体質改めて」 宮城県と石巻市に注文

判決の確定を受け、これまでの歩みを振り返る原告遺族=11日午後4時35分ごろ、仙台市青葉区の仙台弁護士会館

 東日本大震災の津波で石巻市大川小の多数の幼い命が失われた理由を求め、遺族が宮城県と石巻市に起こした訴訟。仙台高裁判決の確定を受け、原告遺族が11日に仙台市内で開いた記者会見では、県や市の姿勢に対する注文が相次いだ。
上告棄却の一報から約4時間半たった午後4時。会場には原告遺族5人と原告代理人2人が並び、背後には「全国の皆さんご支援ありがとうございました」と書かれた横断幕が掲げられた。
5年の次女千聖(ちさと)さん=当時(11)=を失った紫桃隆洋さん(55)は「亡くなったたくさんの子どもたちが見えない力で支えてくれた」と話し、6年の三男雄樹君=同(12)=が犠牲になった佐藤和隆さん(52)は「長い道のりで何度も投げ出したかったし、つらかった」と振り返った。
これまで県や石巻市の説明が二転三転するなど、ずさんな対応が児童遺族を何度も傷つけた。原告代理人の吉岡和弘弁護士は「初めから遺族と真摯(しんし)な話し合いをしていれば、ここまで長くかからなかった。率先して問題を解決する姿勢を示さなかった知事の責任は重大だ」と批判した。
6年の長男大輔君=同(12)=を亡くした原告団長の今野浩行さん(57)は「県や市は体質を改め、隠蔽(いんぺい)した事実も出さなければ謝罪も受け入れられない」と強調した。
大川小の教訓を学校防災に生かす取り組みも道半ばだ。3年の長女未捺(みな)さん=同(9)=を失った只野英昭さん(48)は「大川小には多くの教員が訪れるが、県外の人ばかり。県内の教員こそ、ここで学校防災について自問自答してほしい」と注文を付けた。
一審二審の審理の中で、当時学校にいた教職員11人中、唯一助かった男性教務主任(58)が証言することはなかった。只野さんは「確定判決を機に、先生は真実を話してほしいし、焼香にも来てほしい」と訴えた。河北新報2019年10月12日

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コメント 1 件

ポエム より:

被災から8年もたって、やっと一区切り。遺族の悲しみは深まるばかりだと思いますが、こうして裁判で闘うことで、子どもたちがどんなに生きたかったか、そのためには何が足りなかったのか、私たちに明らかにしてくれたと思います。改めて遺族の方へのおくやみを申し上げるとともに裁判闘争へのご苦労に敬意を表します。私もそうですが、常日頃、防災意識があまりなく、今回の大型台風もどういう準備をしておけばいいのか、よく分からないまま、幸いにも私の住んでいるところは大した被害もなく通り過ぎて行きました。でも、これが、病院や学校、交通機関など多くの人の命をあずかっているところでは、万全の準備が必要ですよね。防災教育の在り方や自治体や国が防災に充てる予算など、もっともっと充実してほしいと思いました。

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